ヨガの呼吸法について
ヨガには主だった呼吸法がいくつかありますが、特に取り入れやすいものを3つ紹介しようと思います。
- 四角い呼吸法(吸う→止める→吐く→止めるの順に呼吸する)
- 片鼻呼吸法 (片鼻ずつ押さえながら呼吸する)
- 完全呼吸法 (腹式呼吸→胸式呼吸→鎖骨式呼吸を連動させて呼吸する)
はじめてでもやりやすいのは上記の3つではないかと思います。なお、いずれの呼吸法もしんどかったり不快に感じたらすぐに中止してください。また、月経中や妊娠中(状態をみながら行えることもある)、病気の時や飲酒後、喫煙している方はこれらの呼吸法は基本的にはおすすめできませんのでご注意ください。代わりに自分にリラックスをもたらすために深呼吸するだけでも、自分を整えることはある程度できるかなと思います。
四角い呼吸法
基本的に同じ長さで吸う→止める→吐く→止めるを繰り返す呼吸です。通常、3〜5カウントずつで繰り返します。はじめは仰向けの状態(呼吸に意識を向けやすい)で息を止めずに同じ長さで吸って、同じ長さで吐くところからやってみてください。息止めを含めてやってみて呼吸を止めるのがしんどければ、息どめの無い呼吸に戻して行うのが良いと思います。自分の心地よい呼吸を探すのがポイントです。
〈効能〉
- 呼吸のリズムをととのえる。
- その日溜まったストレスを軽減する。
- 身体と心を落ち着かせる。
- 呼吸に集中し、かつ息を止めることで雑念を減らし精神的負荷を軽減する。
上記のような効能があるため、精神を落ち着かせる方向にもっていきたい時や夜寝る前などに行うと良いと思います。
片鼻呼吸法
こちらは基本的に座位で行います。背筋が伸びるようにご自身の心地よい座り方(あぐらがやり易いかも)で座ります。
- 両鼻から大きく吸って、全ての息を吐きます。
- 右手の親指で右鼻を塞いで(鼻翼のあたりを押さえる)、左の鼻からゆっくり息を吸います(左から始めるのがポイント、左側は副交感神経と通ずるとされる)。
- 次に左鼻を塞いで、親指を離し、右鼻からできるだけゆっくり息を吐きます。吐ききったら、そのまま右鼻からゆっくり息を吸います。
- 今度は再び親指で右鼻を塞ぎ、左鼻を開放して左鼻からできるだけゆっくり息を吐きます。
❷〜❹を10回程度繰り返します。最後に両鼻からの自然呼吸に戻して数呼吸、自分の中に気持ちよく呼吸が流れていくのを感じてください。
〈効能〉
- 自律神経を調整する。
- 精神を安定させる。
- エネルギーバランスを整える(ニュートラルな状態に戻れる)。
こちらも精神安定に役立ちますが、こちらは自律神経を整える作用があるため、バランスを整えたくなったらコソッとできるような呼吸法です。おすすめは活動してからのクールダウン後や寝る前でしょうか。
完全呼吸法
ヨガの古典には載っていないそうです。しかしさまざまな効能がり、現代のヨガではポピュラーな呼吸法です。
仰向けor座位で行います。はじめは仰向けがおすすめです。右手をお腹の上に、左手を胸の上に置いて、お腹→胸→鎖骨の順に吸った空気が入っていくイメージで体幹全体、肺全体を使って吸い、お腹→胸→鎖骨の順に空気を追い出しながら吐いていくことを繰り返します。10回程度繰り返したら、両手を下ろしてゆっくりと自然な呼吸に戻して、呼吸の状態を観察してみてください。
〈効能〉
- 深い呼吸になることで、肺全体に酸素を取り入れる。
- 深い呼吸の習慣がつく。
- 深呼吸することで心を落ち着かせる(私はお産の時にも使いました、気を逸らす効果もあります)。
深呼吸のさらに深いバージョンです。腹式呼吸を思い出す(もしくは習得する)のにも良いですし、比較的どんなシーンでも使いやすく、自分の心を落ち着けるのにも有用です。腹式→胸式→鎖骨式を意識的にやることで、身体の使い方を学べるとともに精神的雑念を減らすのにも効果的です。
呼吸法はいつでもどこでも自分の味方
上記のような呼吸法を覚えておくことで、いかなる状況でも自分を整える行動として使えます。精神的or身体的負荷がかかる場面で自分の拠り所としても役にたつ可能性があります。具体的な呼吸法はお伝えしましたが、要はご自身が心地よい状態になれる呼吸を意識的にやる時間を1日に少しでも確保できると良いなと願っています。